企業レッスンやプライベートレッスンを考える前に

これから企業レッスンやプライベートレッスンをやってみたいという方にやる前に知っておいてもらいたいことをまとめてみました。

 1 受講者の違い

受講者は勤務中若しくは勤務後にレッスンを受けに来ます。諸論あるとは思いますが、一応勉学が第一の留学生と異なり当然ながら企業レッスンやプライベートレッスンの受講者の方の第一は仕事であることが多いです。

勉強より優先しなければならないことがたくさんあるということです。

また授業時間数の観点からみると、日本語学校の留学生ですと基本的に毎週毎日3時間ほど学校で勉強することになりますが、企業レッスン、プライベートレッスン等はせいぜい週1回1時間〜2時間という方が多いのではないでしょうか。

当然カリキュラム等は,週1時間〜2時間しか授業時間がとれず、また自宅学習する時間もあまりないということを前提に組まなければならなくなるので日本語学校のカリキュラムとは全く異なってきます。

例えば、「みんなの日本語」でいうと、週1回2時間のレッスンで会話もやり、問題も扱い、聴解タスクや読解までやってると下手すると1ヶ月に1課、1年で12課までしか進まないなんてことになってしまいます。

この辺りは受講者の方からの進度が遅いという声にもつながりやすくなると思います。

 2 当日キャンセルの問題

残業、出張、プライベートの用事で突然レッスンがキャンセルとなってしまうことも多いです。私の経験で言えば、1ヶ月間レッスンができなかったということも。

キャンセルになってしまうとレッスン料金は入ってこなくなってしまいます。

がそこは当然、キャンセルの場合の料金の取り扱いというのは契約に盛り込むことになると思いますが、特にこれから企業レッスンや、当日キャンセルを始める方が、レッスン料金の100%もしくは何%かという請求等は果たしてできるのでしょうか…あまり授業もしていないのにキャンセル料ばかり払っているとなると受講者の方も続けたくなくなってしまいますよね。

 3 人事、受講者、教員のやりたいことの乖離

日本語学校でも受講者からは色々こういうことをやってほしいというオーダーはあると思います。

企業レッスンの場合はこれに加え、人事担当者からのやってほしいことのオーダーがあります。

私の経験で言うと、データ入力センターでの日本語レッスンを受けた際、企業の人事担当の方からは、「会話よりも、漢字の読み方を類推するスキルを中心に伸ばしてほしい」というオーダーを受けたりしたことがあります。

受講者は仕事で役立つことよりも日常会話を(その逆もあり)と希望したり、人事担当者からはお金を払っている以上すぐに目に見える成果がほしいということで文法的な正確性よりも早く意思の疎通ができるように、だったり、教員としては文法がめちゃくちゃなの気になるなぁだったり、3者間でやりたいこと、やってほしいことのずれが起き、その間で悩むことも多いのも特徴だと思います。

 4 継続の問題

企業レッスンやプライベートレッスンは一度契約を取ればしばらく安定して続く…というものではありません。

もちろん、日本語学校でも下手な授業をするとクレーム連発で授業には入れなくなるということもありますが、教員が交代させられることはあっても、受講者は毎日学校へきますし、よほどのことがないかぎり、教員不足のこのご時世、(再研修等経た上で)別のクラスがあてがわれるでしょう。

しかし企業やプライベートレッスンはそうはいきません。クラス単位で受注した場合はつまらなければ日に日に受講者は減っていきますし、プライベートレッスンの場合はつまらない、役に立たないと思われたら1ヶ月或いは1回で終了します。

また企業の場合、年度切り替わりの際には予算の都合で…ということも発生しやすいと思います。

こういう事情もあり先の収入計画が読みづらい世界だと思います。

 5 受講者をどうやって探すか

プライベートレッスンのマッチングサイトは結構あると思いますが、だいたいそういうところでは1時間1000円〜高くて2000円程度の案件しかありません。

また企業等外国人の多そうなところに直接営業をかけるのも当然難しいと思います。

この辺りはプライベートレッスンをやっている専門企業からの受託というのがよいのでしょうが、どうしても企業の取り分の方が多くなってしまいます。

 6 移動時間の問題

仮に企業レッスンやプライベートが中心=フリーランスということを考えると、移動時間が増えることはそのまま稼げる時間の減少に繋がります。

企業向けのレッスンは都心のオフィスか、郊外の工場などということを仮定します。レッスンはせいぜい長くても1日2時間程度とすると、それに対し往復2時間の移動が発生してしまうといくら時間当たりの単価が高くても結局、日本語学校の非常勤講師と対して稼ぎが変わらないということになってしまいます。

 7 レッスン時間帯の問題

企業でのレッスンや、ビジネスマン向けのプライベートレッスンとなると、どうしても時間帯は平日夜間や土日が多くなってしまいます。

いつ休むのかという問題が出てきます。

企業でのレッスンやプライベートを中心に生計を立てる=フリーランス=自由 とすると果たして、平日夜間や土日まで授業に追われる生活はどうなのだろうとも思います。

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以上、こんなところでしょうか。

なんだかマイナス点ばかり書いてしまいましたが、始めてからこんなはずじゃなかったというよりはこんなこともあるかもしれないということが頭にあった方が良いと思います。

そうでもないよという声ももちろんあると思いますし、ご参考程度になれば…

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