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解説

文科省が外国人の子供の就学促進で通知 初期日本語指導の支援強化を新規要求

公開 2026年9月3日 更新 2026年9月3日 分類 政策・世論/教員資格

文科省が8月28日、外国人の子供の就学促進について自治体向けの通知を出しました。日本語教育に直接関わるのは、就学前・就学初期の「プレスクール/プレクラス」で初期日本語指導を行う取り組みを国が後押しする方針で、その支援強化事業が令和9年度の概算要求に新規で入っている点です。

何が出たか

文書は8文科教第974号「外国人児童生徒等の就学の促進について(通知)」。総合教育政策局長と初等中等教育局長の連名で、都道府県・指定都市の教育委員会や都道府県知事などに宛てて出されました。あわせて令和2年7月に作られた指針が改訂され、別添として付いています。

背景にあるのは、令和7年度の「外国人の子供の就学状況等調査」で不就学の可能性がある子供が9,153人にのぼったことです。住民基本台帳上の学齢相当の外国人の子供は177,726人で、このうち義務教育諸学校に150,786人、外国人学校に11,949人が在籍しています。学齢相当の子供の数も義務教育諸学校への在籍数も、調査開始以来もっとも多くなっています。

日本語教育に効くのはここ

通知は、不就学の子供への支援方策としてプレスクール(就学前の子供が対象)とプレクラス(学齢期の子供が対象)を挙げ、プレクラスでは初期日本語指導等の支援を行うとしています。母語話者が同行する家庭訪問や、就学相談窓口の設置も並んでいます。

そのうえで文科省は、令和9年度概算要求に「プレスクール・プレクラス(初期日本語指導等)支援強化事業」を新規で要求していると記しています。既存の「外国人の子供の就学促進事業」とは別枠の新規事業です。概算要求の段階なので予算がつくかは未定ですが、初期日本語指導の担い手を自治体が求める方向に動く材料ではあります。

読みどころ

  • 対象は公立学校に入る前後の子供で、日本語学校の留学生とは別の層です。ただし初期日本語指導の担い手という点では、日本語教育の人材需要に関わります。
  • プレクラスは自治体が主体となって実施するものなので、動きが出るとすれば教育委員会や国際交流部局からの委託・募集という形になります。
  • 概算要求は要求段階です。予算成立は年末から年度末にかけてで、それまでは事業の規模も内容も確定しません。

自治体・学校に求めていること

通知が求める内容は大きく4つに分かれます。就学状況の把握では、住民基本台帳をもとに学齢簿に準じるものを作成して管理し、就学事務システムを導入する場合は文科省の標準仕様書の機能を必須とすること、就学状況が確認できない場合は電話や訪問による個別確認を行うこと、外国人出入国記録の照会を使って居住実態を確かめることが挙げられています。福祉部局が実施する乳幼児健診の未受診者や未就園児の状況確認調査との連携も求めています。

就学案内については、居住する外国人の使用言語への配慮に可能な範囲で努めること、乳幼児健診や予防接種などの機会を活用することが記されています。受入れの面では、外国人児童が特定の学校に集中する場合に就学校の柔軟な指定・変更が可能であること、幼児教育施設から小学校への引継ぎ、夜間中学への案内、高校での特別定員枠の設定推進が並びます。

今回の改訂で新しく入ったのは、就学状況の確認が難しいときに福祉部局の協力を得て調査すること、仮放免者・被監理者の情報の活用、特定校への集中時の柔軟な指定変更、幼児教育と小学校教育の接続についての記載の4点です。

あわせて通知は、特定の文化的背景への過度な配慮は学校現場の負担になるとして、保護者に日本の学校生活を事前に丁寧に説明して理解を得ながら運用するよう求めています。

一次資料

  1. 文部科学省「外国人児童生徒等の就学の促進について(通知)(令和8年8月28日)」
    www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/2026/mext_00017.html
  2. 通知本体(8文科教第974号・PDF 186KB)
    www.mext.go.jp/content/20260828-mxt_kyokoku-000051819_00.pdf
  3. 【別添】外国人の子供の就学促進及び就学状況の把握等に関する指針(PDF 177KB)
    www.mext.go.jp/content/20260828-mxt_kyokoku-000051819_01.pdf
  4. (参考1)令和7年度「外国人の子供の就学状況等調査」結果概要(PDF 182KB)
    www.mext.go.jp/content/20260828-mxt_kyokoku-000051819_001.pdf

この解説は2026年9月3日時点の公表資料にもとづいています。制度は変わることがあるため、判断の際は必ず上記の一次資料をご確認ください。内容の正確性や当社の見解を保証するものではありません。

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