令和9年度概算要求 日本語教育支援パッケージは31億円から113億円+事項要求に、入管庁は前年度比1.5倍を要求
令和9(2027)年度概算要求で、文科省の「日本語教育支援総合パッケージ」は前年度予算31億円に対し113億円+事項要求、出入国在留管理庁は前年度当初比47,159百万円増の133,168百万円を要求した。新規では「日本語・生活学習プログラム(仮称)」の創設が事項要求として明記された。金額の確定は年末の予算編成で、いま対応が必要な実務はない。
令和9(2027)年度の概算要求が8月末に出そろった。日本語教育関係では、文部科学省が「日本語教育支援総合パッケージ」を前年度予算31億円に対して113億円+事項要求で要求し、出入国在留管理庁は前年度当初予算比47,159百万円増の133,168百万円を要求した。いずれも要求段階の数字で、年末の予算編成で確定する。
文科省:総合パッケージは31億円→113億円+事項要求
文科省全体の要求・要望額は8兆7,750億円(令和8年度予算は5兆8,809億円)。このうち、8月28日に公表された「秩序ある共生社会の実現に向けた日本語教育支援総合パッケージ」に関わる要求は次のとおり。
| 項目 | 令和8年度予算 | 令和9年度要求 |
|---|---|---|
| 日本語教育支援総合パッケージ全体 | 31億円 | 113億円+事項要求 |
| 日本語教師養成・研修 | 2億1,200万円 | 2億2,700万円 |
| 日本語教育機関認定法等施行事務 | 3億6,900万円 | 5億4,300万円 |
パッケージの中で新しいのは、「日本語・生活学習プログラム(仮称)の創設」が【事項要求】として明記されたこと。事項要求は金額を示さずに要求し、予算編成の過程で金額を詰める形式で、来日前・入国後の日本語学習のためのカリキュラム・教材の作成などが挙げられている。認定日本語教育機関の認定や登録日本語教員の登録を支える施行事務の経費も、計算すると1.5倍近い増額要求になっている。
入管庁:前年度当初比47,159百万円増
法務省全体の一般会計要求額は9,856億1千4百万円(令和8年度当初予算は852,014百万円)。うち出入国在留管理庁は133,168百万円で、資料に「47,159百万円増」と明記されている。計算すると前年度当初の約1.5倍にあたる。
資料に並ぶ主要施策は、JESTA(日本版電子渡航認証)の早期導入26,364百万円、出入国管理DXの推進4,429百万円、出入国審査体制の基盤強化5,262百万円、治安の維持・不法滞在者対策1,293百万円、難民等の適正かつ迅速な庇護の推進1,601百万円など。定員では入国審査官等271人の増員を要求している。日本語教育支援の拡充(文科省)と在留管理の強化(入管庁)が同時に積まれた要求になっている。
読み方
概算要求は要求段階の数字で、12月の政府予算案の編成で減額・確定される。事項要求の「日本語・生活学習プログラム(仮称)」は金額自体が未定。時事通信は4月に、日本語学習課程の修了を在留審査の考慮要素にする方向を政府が検討していると報じており、プログラム創設の事項要求をその基盤とみる読み方はできる。ただしこれは当方の見立てで、概算要求資料自体には在留審査との接続は書かれていない。
実務への影響
- いま対応が必要なことはない。金額は年末の予算編成で確定する。
- 認定・登録の施行事務費が増額要求されており、審査体制に変化があれば改めて伝える。
事業別の金額のうち、地域日本語教育推進事業と外国人児童生徒等関係の内訳は、複数資料の読み取りが一致しなかったため書いていない。NHKが報じた「在留の適正管理に807億円余」も、一次資料で該当箇所を確認できなかったため使っていない。
一次資料
- 法務省 令和9年度概算要求
www.moj.go.jp/kaikei/bunsho/kaikei02_00164.html - 令和9年度概算要求の概要・施策の概要(法務省PDF)
www.moj.go.jp/content/001469623.pdf - 令和9年度概算要求について(速報)(法務省PDF)
www.moj.go.jp/content/001469604.pdf - 令和9年度文部科学省 概算要求等の発表資料一覧
www.mext.go.jp/a_menu/yosan/r01/1420668_00005.html - 令和9年度文部科学関係概算要求のポイント(文科省PDF)
www.mext.go.jp/content/20260828-ope_dev02-000051779_1.pdf - 秩序ある共生社会の実現に向けた日本語教育支援総合パッケージ(文科省PDF)
www.mext.go.jp/content/20260828_mxt_kyokoku-000051828_001.pdf
この解説は2026年9月4日時点の公表資料にもとづいています。制度は変わることがあるため、判断の際は必ず上記の一次資料をご確認ください。内容の正確性や当社の見解を保証するものではありません。
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