特定技能「外食業」の受入れ停止と審査状況 留学からの変更は原則不許可、再開は未定
特定技能「外食業」は4月13日から交付停止・変更原則不許可が続き、再開は未定です。10月19日掲載の審査状況では、認定証明書の交付は2月6日受付分まで進みましたが、停止前(2/7〜4/12受付)の申請中が合計7,361件(当方合算・速報値)残っています。留学生の進路に外食業を組み込むのは当面成り立たない前提です。
9月9日の会議で何が出たか
出入国在留管理庁は9月9日、特定技能制度・育成就労制度の分野別運用方針に関する有識者会議(第14回)で、特定技能「外食業分野」の在留資格認定証明書交付の一時停止措置について報告しました。配布資料(資料4-1〜4-3)には、措置の経緯に加えて、停止前に受け付けた申請の審査がどこまで進んでいるかが受付日ベースで示されています。この審査状況(資料4-2)は、入管庁が8月10日にウェブサイトに掲載した「在留諸申請の審査状況」の内容です。この会議は育成就労への航空分野追加の提示が報じられましたが、外食業のこの報告を伝えた報道は確認できていません。
10月19日に入管庁が同じページを更新しました。最新の処理状況と申請中の件数は、下の「審査はどこまで進んでいるか」に反映しています。
措置の経緯 4月13日から続いている
外食業分野の特定技能1号は、令和8年1月23日閣議決定の分野別運用方針で、受入れ見込数が5万人(令和10年度末まで)と設定されています。令和8年2月末時点の在留者数は約4万6千人(速報値)で、5月中に見込数に達すると推計されたため、出入国在留管理庁は農林水産大臣の要請に基づき、4月13日に在留資格認定証明書の交付を一時停止しました。受入れ見込数を受入れの上限として運用するという政府基本方針・分野別運用方針に基づく措置です。
4月13日以降に受理した申請の扱いは、在留資格認定証明書の交付申請が不交付、在留資格変更許可申請が原則不許可(医療・福祉施設給食製造の技能実習2号修了者等には配慮)、在留期間更新は通常どおり許可です。
審査はどこまで進んでいるか 10月19日更新
停止前に受け付けた申請は、在留中の人の変更申請を優先したうえで、上限の範囲内で受付日順に順次処理されています。入管庁は10月19日、処理状況を更新しました。8月10日掲載分(9月9日の会議資料4-2に同内容)から動いたのは次の3つです。
| 申請の種類 | 8月10日掲載 | 10月19日掲載 |
|---|---|---|
| 在留資格認定証明書の交付申請 | 令和8年1月5日受付分まで | 令和8年2月6日受付分まで |
| 変更許可申請(技能実習〔医療・福祉施設給食製造〕から) | 令和8年7月31日受付分まで | 令和8年9月30日受付分まで |
| 変更許可申請(特定技能1号移行準備の特定活動から) | 令和8年7月31日受付分まで | 令和8年9月30日受付分まで |
変わっていないのは、特定技能1号(外食業)の分野内転職(全ての申請が対象)、留学などそれ以外の在留資格からの変更(令和8年4月12日受付分まで)、在留期間更新(通常どおり)です。
認定証明書は、2か月余りで交付の線が1月5日受付分から2月6日受付分へ、約1か月分進みました。入管庁は10月19日のページで、交付は毎月の在留者数を踏まえて可能な場合に受付日順で行うと説明しています。ただし、停止前の4月12日までに出された申請のうち、2月7日以降の分はなお待ちの列にあります。10月16日時点(速報値)で申請中なのは、2月7日〜28日受理が732件、3月が1,825件、4月1日〜12日が4,804件です。3区分を足すと7,361件になります(当方の算術で、入管庁が合計を示しているわけではありません)。
ここから「あと何か月で自分の申請が動く」とは読めません。待ちの列は7,361件あり、交付は上限に空きが出る範囲で進むためです。8月から10月の前進幅(約1か月分)が続くという保証もありません(当方の見方)。
技能実習・特定活動からの変更は、7月31日受付分から9月30日受付分へ進みました。入管庁のページは「受付日が9月30日までの申請」を対象としていますが、9月30日が受付の打ち切りなのか、処理の到達点なのかは書かれていません。掲載日(10月19日)の約3週間前という位置と、8月10日掲載時の7月31日が約10日前だったことからは、処理がほぼ追いついている到達点と読むほうが自然です(当方の推測。10月1日以降の受付分の扱いはページに明記なし)。留学などそれ以外からの変更は、4月12日までの受付分のままです。
入管庁は、順番が来る前に在留期間が満了しそうな申請者には、不法残留を防ぐため、特定活動(特定技能1号準備)への在留資格変更、または在留期間更新(1回限り)の申請内容変更申出を案内する場合があるとしています。この特定活動で同様の活動を続ける場合は、在留期間満了の概ね3か月前までに特定技能1号(外食業分野)への変更申請が必要で、この申請の提出書類は申請書と写真のみで足りるとされています。また技能実習生は、実習計画の修了後は働けないため、技能実習からの変更を希望する場合は、就労開始予定日の2か月以上前に変更許可申請を行う必要があります。
実務への影響
- 卒業後の進路に外食業の特定技能1号を挙げている留学生は、いま変更申請を出しても原則不許可。当面は他分野か別の進路で組み立てる。
- 既に特定技能1号(外食業)で在留している人の在留期間更新は通常どおり。外食業分野内での転職の受入れ先になることも可能。
- 技能実習(医療・福祉施設給食製造)や外食業の特定活動から移る人は、変更申請の時期が就労開始・在留期限に間に合うかを個別に管理する。順番待ちの間に期限が来る場合は、入管庁の案内する特定活動への切り替えがある。
- 再開は未定。9月9日の会議で示された分野別運用方針の改正作業の資料でも、外食業の受入れ見込数は5万人のままで、引き上げは示されていない。
外食業で働く外国人の構成
資料4-3によると、外食業の従業者は約413万人。外国人労働者は約27.3万人(約7%、令和7年10月末の外国人雇用届出)で、内訳は留学生等が約13.9万人、永住者等が約4.9万人、特定技能が約4.8万人(令和8年3月末)です。外食業で働く外国人の最大の層はなお留学生等で、今回の措置が止めているのは特定技能の新規受入れです。資格外活動としてのアルバイトの仕組みは対象ではありません。
今後の確認先
分野別運用方針の改正に向けた作業が9月9日の会議で始まり、報道では12月に閣議決定の予定とされています(共同通信配信)。作業資料では航空分野の育成就労への追加などが挙がる一方、外食業の受入れ見込数には変更の幅が示されていません。ここが動かない限り、交付再開は見えてきません。確認先は、入管庁の審査状況ページと次回以降の有識者会議の資料、農林水産省の停止措置ページです。
審査の処理状況と申請中の件数は、入管庁が令和8年10月19日に掲載した「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」(件数は10月16日時点の速報値)によるものです。8月10日掲載分は9月9日の会議資料4-2に同内容で、比較のために残しています。処理は進んでいくので、最新の受付日は同ページで、個別の申請の見通しは管轄の地方出入国在留管理局や所属予定機関を通じて確認してください。
一次資料
- 出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況(2026年10月19日掲載)」
www.moj.go.jp/isa/10_00259.html - 出入国在留管理庁「第14回特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針に関する有識者会議」
www.moj.go.jp/isa/03_00202.html - 資料4-1「特定技能「外食業分野」における受入れ見込数の上限超過への対応」(PDF 390KB)
www.moj.go.jp/isa/content/001470101.pdf - 資料4-2「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」(8月10日掲載分の転載・PDF 553KB)
www.moj.go.jp/isa/content/001470103.pdf - 資料4-3「外食業における外国人材の受入れ状況」(PDF 257KB)
www.moj.go.jp/isa/content/001470104.pdf - 資料3-1「特定技能制度及び育成就労制度の分野別運用方針の改正に向けた作業開始について」(PDF 661KB)
www.moj.go.jp/isa/content/001470098.pdf - 出入国在留管理庁「特定技能「外食業分野」における在留資格認定証明書交付の一時停止措置について」(令和8年4月13日)
www.moj.go.jp/isa/03_00176.html - 農林水産省・出入国在留管理庁「特定技能「外食業分野」における受入れ上限の運用について」(令和8年3月27日・PDF 223KB)
www.maff.go.jp/j/shokusan/gaisyoku/attach/pdf/gaikokujinzai-111.pdf - 農林水産省「外食業分野における外国人材の受入れについて」
www.maff.go.jp/j/shokusan/gaisyoku/gaikokujinzai.html - 農林水産省「停止措置に関するQ&A」(PDF 802KB)
www.maff.go.jp/j/shokusan/gaisyoku/attach/pdf/gaikokujinzai-112.pdf
この解説は2026年10月23日時点の公表資料にもとづいています。制度は変わることがあるため、判断の際は必ず上記の一次資料をご確認ください。内容の正確性や当社の見解を保証するものではありません。
訂正履歴 2026年10月23日 追記・更新:入管庁が10月19日に掲載した審査状況に合わせ、処理の到達点(認定証明書は1月5日→2月6日受付分、技能実習・特定活動からの変更は7月31日→9月30日受付分)と申請中の件数を更新しました。9月11日公開時の記述は当時の掲載(8月10日)に基づくもので、誤りの訂正ではありません。