こんにちは。日本語教師ジョブスタッフです。

前編の「パフォーマンス力」は教師の表情や対応で使ったものを紹介しました。後半は授業の内容で使っている「パフォーマンス」をご紹介します。

3.文型導入時

例えば、「~てしまいました」「~たいです」「~わけにはいかない」「むかしは~ものだ」「あ、~ていますよ」など、初級であっても、それ以上であっても、人の感情や状況の速さが関係して使う文型は本当にその人の感情のイメージができないとなかなか理解してもらえないものです。

①「どうしましたか」②「どうしたんですか」③「どうしたの!?」同じことを聞いていても、その言葉からイメージできる場面や状況、会話者同士の関係は様々です。それを、「①はていねいに聞きます。②は強く知りたいですから、~んですか。を使います。③は行為者の行動にびっくりして聞くときに使います。(カジュアルな場面で)」という説明で理解できる学習者は少ないのではないでしょうか。

例えば、

①病院で看護士が患者にいう「今日はどうしましたか」

②元気がない学生に教師が心配そうに声かける「どうしたんですか。」

③松葉杖をついて友達が教室に入ってくる。「どうしたの!?」

など場面を設定し、教師がリアルに演じられることができるとその授業はもっと面白くなるのではないかと思います。

 

いかがでしたか。お読みいただいた通り今回の「パフォーマンス力」は教室内のいい雰囲気作りのため、また、学生の日本語の理解を補うために有効的に使うための一技術であって、学生のウケを狙って授業を組み立てるという意味ではありません。授業で教える内容はしっかりと抑えたうえで、自分は学生に楽しんでもらうためにどんなパフォーマンスをしているのかを考えていただければと思います。

きっと皆さんも日々、教壇というステージで様々なパフォーマンスをされていると思います。今回のような視点でご自身の授業を振り返り、他にどんなパフォーマンス(演技)を授業に入れることができるのかを考えるのも面白いと思います。実は学生は先生それぞれのパフォーマンスをよく見ています。パフォーマンス次第で授業中の学生の反応がガラッと変わるきっかけになるかもしれません。