こんにちは。日本語教師ジョブスタッフです。

「どういう意味ですか」とか、「何と読みますか」などの練習をするときに各国の言葉を書いた紙を用意します。多国籍のクラスだと準備が大変なのですが、自分の母語が授業で出ると嬉しそうな反応をしてくれます。

導入で使ってもいいですし、国が違う学生同士ペアで聞き合う練習にしてもいいと思います。気を付けなければいけないのは、母語を日本語にしたとき、既習語彙・表現で言えるものを選ぶこと。学習者が説明したいと思うような面白い文にすること。楽しみすぎて本来の文型表現の練習がおろそかにならないこと。扱う時間を調整することです。

英語や中国語などはなんとなく意味が分かる言語なので選びやすいですが、日本人に馴染みのない言語を選ぶのはなかなか時間がかかります。インターネットの語学ページや翻訳機能を使うことが多いのですが、先日、ネットのスタンプから選んで授業で使ってみました。スタンプは絵もついていてかわいいデザインのものが多く、意味も推測しやすいので使ったら盛り上がると思いました。でも、1つだけ選択を失敗してしまったものがありました。

タミール語のスタンプで、「おやすみ」という意味だろうと出したスタンプの読み方が「グッドナイト」つまり、日本人が英語をカタカナで表記するように、タミール語の文字で英語の音を表記したものを選んでしまっていたのです。それを知らない私はきっと自分の知らないタミール語の「おやすみ」が聞けるだろうと思っていたので、その学生が「グッドナイトと読みます。」と言った時、学生が日本語のおやすみがわからず英語にしたのか、「~と読みます。」の文型を理解していないのか、一瞬わかりませんでした。幸い、学習者が上手に説明してくれて、英語の音を母語の文字で表記したものであることがわかり、助かりました。同じ文型を何度教えていても、教える学生によって新しく気づかされることがあります。日本語教師という仕事の面白さの一つだと思います。