入管の外国人長期収容問題について

定期的にニュースに出てくる、入管収容施設における外国人の収容問題について、全く知らないという方はいないと思います。が、背景も理解している方は少ないのではと思われます。

この収容問題、私は日本語教育機関で働く方々にとっても他人事ではない問題と考えています。

収容施設とは

これは日本での在留期限を過ぎてしまったり、上陸拒否を出されたりなどした外国人が国外退去命令が出され、送還されるまで収容される施設です。

現在は収容所として東日本入国管理センター(茨城県牛久市)と大村入国管理センター(長崎県大村市)の2ヶ所あります。

また収容場として、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡の各地方出入国在留管理局(支局を含む。)、および成田国際空港、羽田空港、仙台空港、中部国際空港、関西国際空港、福岡空港、博多港の出国待機施設があります。

今起きている問題

外国人の被収容者数が年々増加しています。また収容が長期化していて中には5年以上収容されている人もいます。そしてその収容者の方々が施設内で死亡する事案が発生しています。また被収容者の方がハンガーストライキ等を行う事案も発生しています。

入管収容施設における死亡の事例

 SYI BLOG等をもとに作成

https://pinkydra.exblog.jp/27284016/
入管収容施設におけるハンガーストライキの事例

2019年9月30日産経新聞、2019年11月16日共同通信などを基に作成

https://www.sankei.com/life/news/190930/lif1909300004-n2.html
https://news.yahoo.co.jp/articles/6ce09b44c391e6ef90a9e61a50c6514b3d330cfa

なお、現在はコロナウイルス 感染拡大防止のため一時的に被収容者の方の仮放免が積極的に行われています。

なぜ被収容者数が増加したか

2020年東京オリンピック、パラリンピックの招致の決定の後、警察庁・法務省・厚労省が三省庁合意文書を交わし、入管が日本に不法残留している外国人を積極的に送還しようと舵を切ったことで、不法滞在者の検挙数が増えたようです。

その三省庁合意文書とは下記記事の中で見ることができます。

収容施設の被収容者数と長期収容者の占める割合

2018年11月5日 追い込まれる長期収容外国人…「帰るに帰れない人々」をどう捉えるかを基に作成

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58249

上の図を見ると確かにオリンピック・パラリンピックの招致が決定した2013年以降2017年まで毎年被収容者の数は増え続けていました。また同時に2016年以降、6ヶ月以上の長期収容者が増加し、2018年には半数以上に達しています。これは不法滞在者等の摘発が増えたことだけでなく仮放免される方が減ったことも影響していると思われます。

なお、入管収容施設への被収容者の68%が難民認定申請者か同申請を行ったことがある方だそうです。

なぜ収容が長期化しているのか

法務省によると、「退去を命じられた人は速やかに本国に送還する方針で、退去を拒む人がいるために収容が長期化している」と言っています。

なお退去に関しては基本的に被収容者の自費で行われるものです。

ではなぜ、退去命令が出た被収容者は退去命令を拒むのでしょうか。そこには様々な事情を抱えた人がおり、「祖国に戻れば身の危険にさらされかねない」という人や、「10年も20年も日本で暮らし、送還されれば妻や子供と引き離されてしまう」という人などが退去命令を拒んでいます。

なぜハンガーストライキが起きるのか

被収容者の方も、止むを得ない事情がある場合、一時的に収容を停止し、外に出られる仮放免制度というものがあります。

退去強制手続は,身柄の収容を前提として行われるところ,収容されている者について,病気その他やむを得ない事情がある場合,一時的に収容を停止し,一定の条件を付して,例外的に身柄の拘束を解くのが仮放免制度である。

出入国在留管理庁HPより http://www.immi-moj.go.jp/tetuduki/taikyo/khm_kouryo.html

外国人収容問題に取り組む弁護士団体等は、2015年以降法務省が、仮放免の運用を厳格化したと話しています。

ハンガーストライキが起きている理由は2つ考えられます。

1つ目は、2018年のハンガーストライキで、ハンガーストライキを行った被収容者の仮放免が認められたことにより他の施設の収容所でのハンガーストライキにつながったとみられます。

2つ目は、この仮放免について、明確な基準がなく、同じ仮放免理由でもある収容者は許可され、ある収容者は許可されず、被収容者の方にとっては到底納得できるものではないということもハンガーストライキの一因と見られます。

明確な基準がないのは被収容者の仮放免だけではありません。

  • 上陸拒否
  • 強制退去命令
  • 日本語学校の留学生のビザ申請の際の審査およびビザの延長
  • 就労ビザの許可、不許可

入管行政の全てのおいて実は明確な基準はないのです。明確な基準がないということは入管行政においては非常に広範な裁量権に基づいて全ての判断が行われているということでうs。

なぜそうなっているのかー

オンライン対談について

株式会社トレデキムでは、元東京入国管理局職員で、現在入管問題に取り組まれている入管問題救援センターの木下洋一様をお招きし、この問題の背景にあるもの、あるべき入管行政の姿についてお話しいただきます。

また対談に先立ち皆様から幅広くご意見を求めております。

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